本気のキャリアアップ

 キャリアアップをしたいという看護師は増えているものの、どの程度まで上り詰めていきたいかという志の高さには大差がある。本気でキャリアアップを行って、他の看護師には決してできないような仕事ができる人材に成長したいと考えたら覚悟を決めなければならない。支援制度などが充実していて、看護師がキャリアアップをしやすい環境が整えられてきているものの、与えられたレールの上でキャリアを構築しているだけでは、他の看護師よりも秀でた人材になることも差異を作って独自性を生み出すことも難しい。
 まずは目先の待遇のよさは諦めて、若いうちに努力するという姿勢を持つことを心得ておかなければならない。就職してからの10年間ほどはまだ若くて学習能力が高く、新しいことを覚えつつ柔軟に物事を捉えて吸収することができる貴重な時期である。その間にどれだけ広い現場で多くの経験を積んだかによって、将来性が大きく変わることは否めない。給料が高い職場を選んだり、勤務時間が短くて私生活に十分な時間を割けたりする職場もあって、転職により比較的簡単にそのような待遇で働けるようになれるのは看護師の魅力である。
 しかし待遇よりも今の自分をワンランク上の自分にするためには何が必要かを考え、目標に向けて必要な経験を積めるように職場や仕事を選んでいくことが重要になる。その努力を怠らないことによって、業界を牽引できるようなレベルにまでキャリアアップができるのである。